鎌倉で写真を撮った後に目黒の美術館に行った。
イギリスでは有名な人らしい。
信心深い船乗りが60歳過ぎた後に絵を描き始めたそうだ。
生まれた港町、今住んでいる港町、仕事で行った港、航海途中で見た魚達…。
思い出をどんどん絵にしたらしい。貧しいので、紙だけでなく段ボール箱の切れ端、壷や箱などに描いてあった。
イギリスの美術界の人に注目され絵は売れても、受け取る金は僅かで貧しく仕事のない老人が集まる施設に住んでいたそうだ。
絵はおせじにも巧いとは言えなかった。遠近法さえ使っていなかった。
だけど海に生きて、どれだけ海と船を愛してきたか凄く伝わってくる絵ばかりだった。
彼の、画廊の人に宛てた手紙も紹介されていたが、翻訳文を読むと俺の文章の同様に所々文章が怪しい所がある。
だけど、信心深い彼が感謝の気持ちで溢れている事が分かる手紙だった。
今までの船乗り中心だった人生に感謝したい想いが絵になったんだなと思った。
久しぶりに画集(展覧会プログラム)を買ってしまった。